• 兵庫県尼崎市の白蟻防除会社

カビ、腐朽(くされ)、白蟻被害

冒頭の写真は、築40年の在来工法の浴室土台になりますが、黒カビ白カビと木材腐朽被害、白蟻の食害による被害が混在しており、土台の崩壊はいったい何が原因なのかと聞かれると、答えに困るものです。(話が長くなるので。。。)

まれに、新築直後の床下木部が黒く変色して問題になることもあります。ある程度の経験と知識のある防蟻職人であれば、カビでも腐っているわけでもないと直感しますが、新築を購入されたお客様の立場からすると、腐っていたりカビていたりするのは不快でもありますし、発見されればお怒りになるのも当然かと思われます。

新築の木部の黒変はほとんどの場合「灰汁(あく)」が表面化したものです。

建築期間中に、雨養生をおこたったり、大雨や風が強く、雨水が侵入した場合に起こり得ます。もともと木材の内部にあった成分が表層に積層しているだけですのでご心配には及びませんので、その点をご説明させて頂くようにしております。

さて、冒頭の被害ですが、腐朽(くされ)とカビには関連性があり、木材はある日突然腐るわけではなく、必ず段階的なプロセスがあります。

①カビが生える

②第二次寄生菌が育成する(その中の木材腐朽菌が木材を腐らせる)

③バクテリアが腐った木を更に分解する

そして、そのような腐朽の成れの果てと、白蟻被害を同じ個所で発見することも多くなります。

様々な学説があり、興味を持ってかなり勉強させて頂いたのですが、結論から申し上げますと「菌類が生育しやすい環境は、白蟻にとっても好都合である」ということです。

その3要素が「水分、温度、栄養」です。

水分につきましては、上記の浴室であれば、浴室内のいづれかの箇所に微細なひび割れ等水漏れ箇所があり、浴室を使用されるたびに一定量の水が木部に供給されていたことになります。防水工事を行って頂く必要があります。

あるいは、外壁面のひび割れや、防水できていない箇所等があると雨天のたびに定期的に木部に対し水分が供給され続けることになります。雨水の侵入箇所を特定し防水工事を行って頂く必要があります。イエシロアリの被害が2階以上まで達する事例などはほとんどの場合雨漏りが関連しております。2階以上に浴室・洗面・トイレなど設置されている住宅も要注意です。

もう一つ考えられるのが建物外部との温度差による結露水です。定期的に結露が発生する住宅というのは、建築工法自体に問題がありますので、なかなか改善しにくい問題ではあります。床上以上の壁体内部等で結露が起こっている場合は壁体内への穿孔処理等で対応させて頂きます。

温度につきましては、白蟻は自分達にとって気温が高すぎたり低すぎたりすれば勝手に土壌内に帰り活動を抑制しますのでこちらでコントロールできる内容ではありません。

栄養というのは、木部のセルロース等になりますので、木造建築であればこちらも避けようのない問題です。

つまり、3要素のうち人間側で対処できるのは木部への水分の供給をいかに抑えるかという問題になってきます。