こちらの写真はタイルの浴室の出入口ドアの枠になります。枠の下部にすきまが生じているのがおわかりになると思いますが、シロアリの食害により生じたすきまです。
枠の下部に土台という建築材の部分があるのですが、タイルのお風呂の土台部分の被害が圧倒的に多くなっております。
原因としては、浴室内部の床にわずかなひび割れが生じ、そこからジワジワと水が下部に入り込むことによって、土台が常に湿った状態になり、床下から進入してきたシロアリにとって生息しやすい環境になり、被害が拡大したものです。
被害部分を床下から確認するとこのようになっています。
写真からもわかるように、土台はほとんど喰い荒らされ、食べる部分が無くなってきたので、更に上へと食べすすみ、床上の枠まで食べ進んだことにより枠の下に穴が開いた状態になっています。
この状況で、穴から羽アリが出てくることがありますが、あわててパテで埋めたり、ホームセンターやドラッグストアなどで購入した市販の薬剤を散布されたりする方がおられますが、白蟻防除の観点からすると、それは逆効果になります。
市販の薬剤等で仮に数百頭のシロアリを駆除できたとしても、巣の中や家屋全体には数千から数万頭のシロアリが生息しておりますので、本隊のシロアリが他のまだ食べていない部分に散っていくだけのことです。
つまり、床上から目に見える部分に対処療法的な対応をすることは、単に被害を分散させ、拡大させる事にしかなりませんのでまったくの逆効果ということになります。
浴室付近には限りませんが、生活されていて床上からなんらかの異常を発見された際は、床下からの被害点検を依頼し、被害の程度や、家屋の他の部分に被害が発生していないか、根本原因を確認し、被害を受けた材を交換したり、被害を受けていない材に対する防蟻施工を行うことが必要となります。