しろありの床下薬剤散布について、「床下消毒作業」「消毒業務」などと称している会社があります。
場合によっては、会社名自体が○○消毒であったりします
そもそも、白蟻が巣を作り、主な生活の場所にしている土の中といのは、様々な微生物や病原菌が存在し、しろありの仲間どうしでお互いの身体をきれいにするようにメンテナンスしないと、病気になって死んでしまいますので、毒どころか、とてもきれいな昆虫なのです。
また、他の昆虫や動物を攻撃するような毒ももっていません。
また、蜂の針や一部のガの幼虫の体毛などには毒があるものもありますが、自分たちが攻撃にさらされた時に対抗手段として用いるだけで、刺激さえしなければ害はありません。
ゴキブリやネズミに関しても、雑食性で不潔なイメージがありますが、そもそも、厨房などの清掃が徹底されていないために、残飯等が残っていて、それが腐ったりしたものがエサになっているので、雑菌等が繁殖します。自然界のゴキブリやネズミはそれほど不潔ではありません。
害虫防除薬剤の効き方の基本
「食毒」 エサ等を食べた時に効く
「神経毒」中枢神経=脳 に作用して効く
「接触毒」皮膚や外骨格に薬剤が触れたときに効く
以上の3パターンです
毒劇物の指定は、人間側が勝手に決めているだけで、人に比べて非常に体重が少ない昆虫や小動物にとってはあきらかに毒です。
また、合成化学薬剤については、大手の薬剤メーカーがネズミ・うさぎ・コイ・フナなどを使って動物実験を行い、半数致死量という基準で安全基準を作成していますが、人体実験などは当然行っておりませんので、「同じ哺乳類のネズミが大丈夫だから、人間には安全だろう」という、あくまで想定の上で運用されているのが実態です。
例えば、乳幼児や小さなお子様がおられたり、基礎疾患のあるご高齢の方がおられたり、喘息を含め呼吸器系や皮膚などにアレルギー症状がある方など、いくら実験レベルで合成化学薬剤の安全性がある程度確かめられているとはいえ、ご心配に思われるのは当然ではないでしょうか?
また、同時に、合成化学薬剤を100%否定し、ホウ酸などの天然物にこだわりすぎるのも問題です。
天然物であるがゆえの弱点もございますので、合成化学薬剤の使用は最小限にとどめて、天然物が効果をだしにくい部分にはピンポイントで使っていくなど、柔軟な思考も求められます。
薬効を最優先してほしいお客様もいらっしゃいますので、施工をご希望されるお客様の考え方や、ご家族の状況、住宅の被害状況等をしっかり把握し、様々な選択肢をご提案できるようにするべきではないでしょうか?
害虫駆除の薬剤の歴史は、新規開発と自主規制や政府による禁止の繰り返しです。
数十年前に普通に使われていた薬剤は、現在は使われておりません。
現在使われている薬剤は、数十年後使われているでしょうか?
そういった不都合な事実を黙ってお伝えしないのではなく、全て明らかにした上で、お客様に納得頂いた上でご判断頂くべきと私は考えます。