株式会社ファーブルの岸本善男さんが書かれた「シロアリ工事は巣から絶たなきゃ意味が無い」という本では、床板から30センチ離れた水分を空中蟻道で水取りしていた事例(熊本県)を拝見しました。
そこまですごいものは実際見た事が無いのですが、調査中に空中蟻道を見つけることは結構あります。
写真の事例ですと、空中蟻道を建築中に何度も折れてしまい、その残骸が周囲に積もってかたまりになっていました。
そして、この1つの空中蟻道の周辺にいくつも同じように建築途中の残骸が見受けられたのです。
私は学術的に白蟻の生態を研究しているわけではないので、あくまで経験上の推論なのですが、シロアリは何かそれをすることによって先の見通し(水があるとか、食糧である木部があるなど)があって活動しているのではなく、このように無謀とも言えるトライアンドエラーを繰り返して、たまたま成功した先に食糧である木部があったり、水分があったりして生き延びていっているのではないか?と感じます。
それを経験上痛感しているので、ピンポイントに食害を受けた部分や、蟻道がある付近だけではなく、土壌を中心に床下全体と建物周囲に残効性がある薬剤を使用するバリア工法を採用しています。